〜緊急搬送編〜
【コロナ9日目】
1階に住む長女17歳が、喉の痛みを訴え、検査したところ陽性反応が出た。
予想外の展開で、私•夫•お義母様で緊急首脳会議が行われた。
私『2階と1階は隔離出来ていたはずなんですが…』
お義母様『長女には、1階メンバー用に買い出しに行ってもらってたから、スーパーでうつった、と言う可能性もあるんじゃない?!』
夫『もし、スーパーでうつっていた場合は、コロナの型が違うかも。ウチらがかかってる型と違うと、2周目コロナにかかるかもしれないよ…』
私『2周目はヤダな…(涙)。ひとまず、長女を陽性組の2階に変えましょう。そして、1階メンバーの残り3人も、すぐに検査をしましょう』
お義母様『そうだね。検査しましょう。長女と一緒に、おじいさんも食事をしていたから、もしかしたらうつっているかもしれない…』
お義父様の調子はというと…、現在あまり良くない状況である。
それにプラスし、コロナに感染していたら大変である。
実は、今朝の4時に救急車を呼ぶ騒動を起こしていたのだ。
救急車が家に来て、救急隊員の方が、お義父様の様子をみてくれた。
そのまま病院に連れて行く…、と思いきや、そこまで緊急性が無いため、様子を見て下さい、と言われ帰っていかれた。
そんな騒動が、朝4時から繰り広げられていたのだ。
そして、その日の朝10時、長女のコロナ陽性騒動も勃発。
お義父様も感染しているかもしれない疑いが浮上した。
さっそく、いつも来てくださってる訪問看護の先生に連絡し、来てもらうことになる。
先生『胸に雑音があるので、肺炎ですね。』
救急車を呼ぶ騒動を起こしたが、やっぱり調子が悪いらしい。
お義父様とお義母様は、その場で分かる抗原検査と、PCR検査の2つ受けた。
抗原検査は、2人とも陰性。ひとまず安心。
そして、PCR検査は、結果が出次第連絡がくるそう。
数時間後、耳を疑う検査結果が電話で伝えられる。
先生『お義母様は陰性です。お義父様は陽性です。』
私『えっ…?!何で?抗原検査は陰性でしたよね?!PCRで違う事ってあるの…?!』と疑問を持つ。
1番懸念していた、お義父様が陽性…。
そして、その日の夕方に体調悪化を感じたお義母様は、訪問看護の先生に相談のもと、またまた救急車を呼ばれた。
本日2回目ですが…、と思いながら、家に近づいてくる救急車の音が聞こえてくる。
救急車が家の前に止まる。
隊員がお義父様の様子をみる。
パルスオキシメーターで血中酸素濃度と脈拍数を測る。
結果、総合的にみて、緊急性が高い訳ではないと言われる。
(このクダリ、朝もやりました…(汗))
朝と違うのは、コロナ陽性になった事。
お義母様の強い希望もあり、入院を受け入れてくれ病院を探してもらう事になった。
なかなか受け入れてくれる病院がなく、1時間近く隊員の方が病院に電話してくださった。
近場は全て電話で断られ、やっと見つかったのは新宿の病院。
この病院にお願いする事にした。
入院中は、面会も出来ないらしい。
救急車に乗る前に…、
1階で、お義父様の隣にいる私が、2階に隔離されている夫にビデオ電話を繋ぐ。
夫や孫達が、お義父様にメッセージを伝える。
どのメッセージも、涙ぐんだ感じの仕上がりになっていた。
特に長女は『ジジにうつしちゃって、ごめんね…』と言って自分を強く責めていた。
誰が悪い訳でもない。誰のせいでもないんだよ、コロナは…。
夕方6時、お義母様が付き添い、救急車が発車する。
長かった今日1日に決着がつく。
無事、お義父様が帰って来られる事を、ただただ願う。
夕刻時は、冬の寒さを一段と感じる。
救急車の背を見送り、足早に家に戻る。
救急車の音は、段々と夜に消えて行った。