ギー(ghee)とは?
ギーとは、無塩バターからタンパク質、水分、不純物を取り除き、純粋な脂肪分だけを集めた『溶かしバター』のこと。
ギーもバターも原材料は同じ生乳だが、大きな違いは「加工方法」。
生乳→生クリーム→バターと徐々に変化していき、その最終形態がギー。
ギーは、バターを加工する過程で腐る原因となる不純物を削ぎ落とすため、ほとんどが脂肪分でできている。
ギーの作り方
① ギーを入れる密閉容器を煮沸し、乾かしておく。
② 無塩バター450g(または、それ以上)を丸ごと鍋に入れ、中火でじっくり溶かす。
バターを溶かしていく時、焦げないように注意する。ギーのことだけを考える。
③ バターが完全に溶けたら弱火にして、ふつふつした状態で5〜10分程度加熱。
沸騰すると、盛んに白い泡が立つようになる。
④ 次第に、泡の数が減ると同時に大きくなり、金色を帯びてくる。
⑤ 良く見ていると、バターの水分が全て蒸発し、鍋底の乳固形分からの小さな泡だけになる。
出来立てのポップコーンのような香りに変わり、温度が急上昇する。
そのタイミングを逃さず火を消す。
(このタイミングを逃すと、たちまち焦げて茶色くなってしまう)
⑥ コーヒーフィルターや、綿布、キッチンペーパーなどで漉しながら、保存用の乾いた密閉容器に移す。
⑦ 密閉容器で保存されたギーは、ひと月以上常温保存可能で、冷蔵する必要はない。
ギーは温かければ溶け、涼しければ固まる。
ギーの健康効果・効能 4つ
ギーの効果① 消化吸収を高め、体力アップ!
ギーの本場インドでは、『胃腸の働きを整え、消化吸収機能を高める』といわれている。
中鎖脂肪酸の働きもあり、食べ物から効率よく栄養素を吸収できるようになると、体調が整い、体力の向上につながる。
ギーの効果② 腸内環境を整え、免疫力アップ!
ギーに含まれる酪酸には腸内の悪玉菌の増殖をおさえ、腸内環境を整える働きがある。
悪玉菌が減り腸内環境が整うと、腸内にいる善玉菌が活発に働くようになる。
腸内には多くの免疫細胞があり、免疫機能が高まると体外から入ってくるウイルスや細菌から体を守ることができる。
ギーの効果③ アンチエイジング
ギーを食べることで消化吸収力が上がり腸内環境が整うと、自然と肌や髪にも艶や張りが生まれる。
更に、ギーに含まれるビタミンAやビタミンEなどは強い抗酸化作用を持っている。
そのため、シミやシワの予防、動脈硬化や心疾患などの生活習慣病の予防にも効果的。
ギーの効果④ 脂肪が燃えやすい体づくり
ギーに含まれる共役リノール酸の働きにより、私たちが食べた食事に含まれる脂肪分を速やかにエネルギーに変えることができる。また、代謝を上げ、脂肪が燃えやすい体づくりに役立つ。
アーユルヴェーダでは、黄金の秘薬
インドでは、アーユルヴェーダという伝統的な医学が5000年以上も前に確立。
これは中医学、ギリシャ・アラビア医学と共に世界三大医学の一つに数えられている。
アーユルヴェーダによる解釈では、ギーは黄金の秘薬と呼ばれ、食べることで記憶力の向上、解毒、てんかんや結核を鎮めるなど、1000種類の効能を持つといわれている。
また、上質なギーは食用にするだけではなく、マッサージオイルや傷薬、また、ヘアートリートメントなどとしても利用されている。
インドでは、ギーはとても大切で万能な油として扱われている。